印刷時、意図した色を本機で再現できないトラブルが起きる場合があります。
色の再現性の不具合は、本機の周囲の温度や湿度の変化、本機のコンディションの変化、用紙の種類の変化によって起こります。
安定した品質を維持するには、定期的に「画質調整」を行ってください。
「画質調整」は、意図した色を本機で再現するために行う調整です。画像のCMYK各色の入出力カーブを調整し、目的の色に近づけます。
本機には、「画像安定化制御」という画質調整を自動でサポートする機能が搭載されています。
ユーザーが作業のたびに画質の調整を行うのは作業負担になります。画像安定化制御機能は、そのような作業負担を軽減し、一定の品質で画質を安定させます。
画像安定化制御機能は、画像安定化補正を必要とする条件を検知したときに、本機が自動でさまざまな補正を行います。補正する項目は以下のとおりです。
ただし、確認用のチャートを使用しない補正のため、用紙の種類や特性、転写、定着の状態などを考慮することができません。
より高精度な画質の調整や補正を行うには、ユーザーによる画質調整を実施してください。
項目 | 説明 |
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ロング補正制御 | 長期の休止や環境湿度の変化、大量印刷時などに発生した画像の出力濃度の変化を補正します。 |
画像間安定化制御 | 連続した印刷作業中に発生した出力濃度と線幅の変化を補正します。 |
ミドル補正制御 | 画像間安定化制御だけでは補正できない変化が発生した場合に、各補正機能の補正値を再構築します。 |
カラーレジスト補正制御 | 主走査、副走査、全体の横倍およびスキューのズレを補正します。 |
色の再現性を保つために、本機では以下の調整フローを推奨しています。
本機に装着しているオプションによって、操作項目が異なります。操作手順について詳しくは、参照ページをごらんください。
調整フロー/参照 | 説明 | |
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すべてのユーザーに日常運用の中で行っていただきたい調整です。以下のタイミングで調整を行います。 電源を入れたあと 1,000 ~ 2,000 枚出力したとき* 色味が重要なジョブを出力する直前 その他、色味がおかしいと感じられたとき | ||
日常の調整フロー(標準)を行っても必要とする画質が得られない場合や、以下のような場合に調整を行います。 色味が重要なジョブを出力する直前 色安定性に満足できない(再現精度を高めたい)とき 用紙が異なるとき | ||
画質調整をしたあとに色の再現性を確認する | 画質調整後に行います。 | |
画質に異常が発生した場合に本機の状態を確認する | 画像に異常が見つかった場合に行います。 | |
以下のような場合に調整を行います。 新しい種類の用紙を使用するとき 日常の調整フロー(高精度)を実施しても、色を再現できないとき | ||
印刷の処理に使用するスクリーンを変更したときに行います。 |
*中継搬送ユニット RU-518mを装着している場合、自動で調整されるため、フローを行う必要はありません。
画質調整を行うタイミングごとに推奨する調整フローは以下のとおりです。
タイミング | 調整フロー |
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毎日行う作業 | |
2 ~ 3ヶ月に1回行う作業 | |
任意のタイミングで行う作業 1. 用紙の種類を変更したとき 2. 1,000 ~ 2,000枚印刷したとき*1 3. スクリーンを変更したとき | |
ジョブを実行後、さらに仕上りを調整したいときに行う作業*2 1. 印刷結果を確認しながら調整したいとき 2. 全体の色味を調整したいとき 3. ジョブ内の一部に特色(スポットカラー)を使用したいとき 4. 代替色を使用して、ジョブ内の一部の色を変更して印刷したいとき 5. 色の再現性を安定させたいとき |
*1 中継搬送ユニット RU-518mを装着している場合、自動的に調整されるため、調整フローを行う必要はありません。
*2 その他、印刷時にプリンタードライバーやAccurioPro Color Managerを使って画質や色を調整できます。